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真面目に古典的な恋愛小説を考えた結果

初出:2005/9/14
男女が逆だと思われる。

さようならを言う代わりに笑おうと思った。
君はまだ気づいてない。これからだって気づかせるつもりはない。
君の人生から、笑顔だけ残して消えよう。君は追ってこないだろう、それだけは分かる。
君と俺は、最後まで似た者同士。
俺は激情を流すために笑う。
君は激情を押し殺して黙る。
それだけの違いが、互いをちっとも近づけなかった。
大好きだったよ、バイバイ。
君が俺のこと好きだったか、今でもまだわからないけれど。
消えると告げれば君はきっと止めるだろうって、それだけは分かるんだ。だから言わない。勝手に消えて、勝手にどこかでくたばる。それを俺は選ぶ。
君は驚くだろうなあ。
根本的に似ていた俺たちだから、意外だろう?君なら絶対にこんなふうに消える方法を選ばない。俺だって、それを選ぼうかと思ったとき嘘みたいだって思ったんだぜ。
この俺が。
よりによってこんなややこしい方法をとるなんてな。
辛かったんだ。だから聞きたくなかった。君の心は理解できないけれどいつだって近くに感じてた。だから余計に聞きたくなかった。行くな、という一言を君の口から聞くわけには行かなかった。これ以上の期待は俺の感情を蝕むだけだ。
だから。
どうか。
どうか、追ってこないで。探さないで。
君まで予想外の行動を、とらないでくれよ。



祈りを蹴散らすようにインターホンがなるのは、それから三日後の話。

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