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優しい夢を祈るようにバトン(解説編)

以下は作者による他愛無い解説ですので、興味のある方だけどうぞ。
*ネタバレなど注意。すべて読み終えてからの閲覧をおすすめします。





このバトンは基本的に、続き物と単発とで分かれています。

完全なる単発は、
優しい魔法
透明水彩の世界
弱い音がこぼれた

これらは特に言うべきこともなく。

続きもの、というか裏設定的なものがある(知らなくても全く影響がない)もの。
1・星屑ロマンチカ
○まず、今回のバトンに当たって、ちゃんとした筋道立てた話を幾つかに分けて、全然違う角度からそれぞれを書いてみよう、というコンセプトがありまして。この話は最初に当たります。
流星の話です。
この年、どこかの惑星では数多くの流星が観測され、隕石も過去最多と言われるほど落ちました。
後に「NONE」と呼ばれるウィルスは、この時どこかの惑星から隕石とともに地上に落下します。これまでの幸せで平和な日常が、ほんの少し揺らいだ、その時の話でした。

2・儚く溶けた夢の終わり
○お医者さんの話です。
「NONE」が徐々に人に感染し始め、少人数ですが、身体が腐って死に至る、という病気が発見されます。その病気は空気感染をしません。接触感染もしません。医者たちもこぞって知恵を絞りますが、何が原因であるのか全くわからないまま、とりあえず感染者たちを一つの施設にまとめて、そこで総合的な治療や研究を行うこととなります。
とは言え、自分の体がいきなり腐り始めるなんてのは、恐怖以外の何物でもなく。患者のために数多くのカウンセラーが雇われるのです。
ヒロインは腐っていく身体を見られたくない思いから、惹かれていた医者に冷たくします。

3・世界の果てに広がる蒼
○機械と少女の話です。
この頃になるとNONEというウィルスはその名称を世界に轟かし始めます。少女の妹リダも、幼くしてこのウィルスにより命を落とすのです。
同時期、NONEは実験施設でモルモットやラットへの感染を認められ、「ネズミが媒体するのではないか」とデマが飛び交い、ネズミ類が乱獲される混乱期がありました。それを踏まえて、少女の両親は「ハムスターが欲しい」とねだる少女に、本物のハムスターを与えることを戸惑い、機械を与えます。この頃から生物の機械化技術はそれなりに発達していたと言えます。

4・さよならの代わりに
○ダーク・ブラックの話です。
ダーク・ブラックは語り部であり、危機に貧した人類が娯楽のために創りだした機械でもあります。
アンダー・アールは幽霊ですが、もちろんNONEによって将来を奪われました。彼の屋敷が廃墟であるのは、ウィルスは寒いところで動きが鈍るという話を信じた家族が、北へ移住したからです。
後にこれもあまり意味が無いデマであったとわかります。
 →ここに付随して。
 最後の嘘と、ひとしずくのなみだは、ダーク・ブラックの語るお話のつもりで書きました。

5・愛しの泣き虫さん
○死と向き合う子供。
NONEウィルスが本格的に猛威を振るい始め、次々と人が死んでいきます。
為す術もない状況が長く続き、人々が疲弊し始めたころです。絶望の世界で、近しい人達を次々なくした少年が、このあと大人になって「身体を切り落として機械化する」という、ある意味究極の治療法を発見するのです。

6・あたかな手、神様とワルツを
○ツァイとエデルとエジッタ。
裕福層が空に逃げたあと、取り残された人類は必死で生き続けます。
切り落として機械化したとしても、根本的な解決には決してならない。わかっていても、それ以上のことができないもどかしさ。人々が分散して暮らしているのは、そうすることでNONEへの感染を一部の被害に止めようとする生きる知恵でした。
当然、そんな状況で人類は数を急速に減らしていきます。
すでに滅びが見えているような、そんな絶望の日々にも、「誰か」を愛する「誰か」がいる。そういう、小さな希望の話です。
ちなみに。
エデルはエデン(楽園)から、ツァイはツヴァイ(ドイツ語で2)から、エジッタはエッジ(端、縁)という言葉から名前を取りました。エデルは人に安らぎを与える人、エジッタはツァイの心の縁にいる女神、みたいな感じです。

最後に、優しい夢を祈るように
ノアの爺さんの爺さんが乗った宇宙船は、巨大なステーションです。少なくなりつつあった人間の生存のための、まさしくノアの方舟でした。
本来の計画では、このあと第三弾までの脱出計画が立てられていました。ところが、宇宙船を作る技術者がこぞって第一弾の船にこっそりと乗り込み、宇宙へ出発してしまったために、第二弾以下の宇宙船を作ることができませんでした。司令官クラスの重役たちはもちろん、全員第一弾の船に乗っています。
事実上、ここで空へ逃げる道は絶たれました。
そうしてツァイたちの時代を経て、惑星では人類が滅び、NONEもまた感染先を失って長い時間をかけて次第に死滅します。もちろんエジッタの墓に刻まれていた文字は、ツァイからの精一杯の餞の言葉となります。
ちなみに、ノアの言っていた「ノアの箱舟の伝説」というのをノアに語り継いだのは、ダーク・ブラックです。ダーク・ブラックは身体を変えながら、今もノアたちの惑星で物語を語ります。


まあそんな感じで想定していた流れがあったのですが、「視点を変えて」がコンセプトだったので、つながっていると思った方は少ないんじゃないかなと思います。
一応考えていたのがもったいないから、記念に解説。
読んでくださってありがとうございました。

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