暁を待つ庭/短編保管庫
別ブログにて書き散らした短編まとめ。
激しく気まぐれ更新。
せつにせつに
初出:2007/12/22
桜が好きです。
桜が好きです。
ゆうら、ゆうら。
光が踊る水面に、一片、切望を投げる。
唯一つを願うならば、君と春を見たかった。
あの桜舞う並木道を、君と歩きたかった。
一筋の、淡き夢。
されど尊き、切望の果て。
声を、この声を、聞いたならばどうか。
君よ、一陣の風となって、吹き付けてはくれないか。
空の青は心に澄み渡ってなお美しく。
透明な空気に響く、痛いほどの願いだけが、渦を巻いて踊る。
最後まで希望ばかりを抱いていた君の掌が、まぶたに焼き付いて離れない。
君が好きだったこの世界を、結局僕は、嫌いになれないまま。
今、季節が走り去る。
春を、待ち望んだ春を、君に見せたかった。
魔法も奇跡も起せない、この無力な掌で。
それでもこの木枯らしさえ吹き飛ばして。冷たい空気さえ取り払って。
君の望む、君の願う、君の好きな、春を。
共に歩きたかったのだ。
君よ、君。聞こえているかい。
この無力な声が君を呼ぶのを。
もしも、聞こえているのならば。
どうか春に、春風となって、一緒に歩いてくれるかい。
あの、桜並木。
約束の桜並木。
この情熱の、行き着く場所を。
光が踊る水面に、一片、切望を投げる。
唯一つを願うならば、君と春を見たかった。
あの桜舞う並木道を、君と歩きたかった。
一筋の、淡き夢。
されど尊き、切望の果て。
声を、この声を、聞いたならばどうか。
君よ、一陣の風となって、吹き付けてはくれないか。
空の青は心に澄み渡ってなお美しく。
透明な空気に響く、痛いほどの願いだけが、渦を巻いて踊る。
最後まで希望ばかりを抱いていた君の掌が、まぶたに焼き付いて離れない。
君が好きだったこの世界を、結局僕は、嫌いになれないまま。
今、季節が走り去る。
春を、待ち望んだ春を、君に見せたかった。
魔法も奇跡も起せない、この無力な掌で。
それでもこの木枯らしさえ吹き飛ばして。冷たい空気さえ取り払って。
君の望む、君の願う、君の好きな、春を。
共に歩きたかったのだ。
君よ、君。聞こえているかい。
この無力な声が君を呼ぶのを。
もしも、聞こえているのならば。
どうか春に、春風となって、一緒に歩いてくれるかい。
あの、桜並木。
約束の桜並木。
この情熱の、行き着く場所を。
PR
この記事にコメントする
カレンダー
最新コメント
[09/29 夏野]
[07/05 薫]
[12/19 夏野]
[12/19 薫]
[10/08 d]