忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

君が幸せであるように

初出:2008/3/03
祈ることはそれだけ。



幾年 月日が流れても
君が幸せであるように


ねえ君の目に、俺はどんな風に映っていたのだろう。
絵の具を何層にも重ねたようなあの、夕暮れの赤い世界で。
あのね、とつぶやいて、その先はとうとういえなかった。そうしていえないまま、俺たちは互いに途方にくれて、二人ぼっちで。
もうすぐ消えてしまうのかい。
そんな無神経な言葉、けれども吐き出せればどれほど楽だったろう。答えが返ると言うのならば、きっと口にしていた。
でも。
君は答えなかっただろうね。俺がどんな風に言葉を紡いでも。俺がどれほど心底から、それを問うたとしても。
分かっているよ。だから、問わなかった。口に出来なかった。曖昧にはぐらかす君の微笑みで最後にしたくなかったんだ。
赤い世界でならもしかして。
このまま現実からはぐれることが出来るだろうかと、少し祈って。少し泣けた。
言葉が迷子だ。
赤い世界に混じり始めた藍色を、ため息と同時に仰ぎ見る。
思えば君とは何一つ、約束をしなかった。お互いに、叶わない事を知っていた。すり抜けていく風をつかめないのと同じように、お互いに、お互いをとどめて置けないことを知っていた。
すり抜けて遠くへ。
この夕暮れがいつまでも続かないみたいに確実に。
これが最後だとしてもきっと約束はしないし出来ない。




だったら、頼む。
せめて祈りを。



いつかを信じることしか出来ない夕暮れに。
幾千の言霊を、幾億の言の葉を。
きっと明日、君がいなくても、風に乗せて空に投げて川に浮かべて。
幾千の切望を、幾億の熱望を。
遠く遠く、どこまでだって、君に届くように願うから、祈るから。
声に出来ないけど、いつまでだって想うから、願うから。だから覚えていて、そしてまた再びの奇跡が俺たちに訪れるときが来たら。
そのときは、そのときこそ。



愛する君へ。
また会う日まで、君が幸せであるように。
愛しい君へ。
また出会えたら、君と幸せになるように。

拍手[0回]

PR

この記事にコメントする

お名前
タイトル
メール
URL
コメント
絵文字
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
パスワード

カレンダー

07 2018/08 09
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

最新コメント

プロフィール

HN:
夏野
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
サイト『暁を待つ庭』の短編保管庫。
別所ブログにて書き散らしたもののまとめ。

ブログ内検索