暁を待つ庭/短編保管庫
別ブログにて書き散らした短編まとめ。
激しく気まぐれ更新。
滲む桜
初出:2007/4/2
春が好き。
春が好き。
震える手のひらを差し出した。
夢みたいに綺麗な光が溢れる午後だった。
つかめたら、何か変わる気がして、薄紅の花びらを追いかけた。
それは、春の幻。
ねえ、君は今、幸せかい?
嘘でもいいから笑えばよかったね。
混沌の心は酸欠で酷く息苦しくて。それでも顔をしかめなかっただけマシだった。表面だけでも平然としていられたことが奇跡のようだ。
ただ。
君の前で弱いところを見せたくなかった。
それだけの強がり。
最後のわがまま。
君の次くらいにね。
声は震えていなかっただろうか。
肩は。視線は。・・・こころは?
残念。
桜に滲んだ、君の存在。
さよならだ、もう散ってしまう。
そして来年はもう、咲かないんだね。
それじゃ、世界一不幸だな。
ねえ桜。
君の夢はどうしたら、見れるんだろう。
夢みたいに綺麗な光が溢れる午後だった。
つかめたら、何か変わる気がして、薄紅の花びらを追いかけた。
それは、春の幻。
ねえ、君は今、幸せかい?
嘘でもいいから笑えばよかったね。
混沌の心は酸欠で酷く息苦しくて。それでも顔をしかめなかっただけマシだった。表面だけでも平然としていられたことが奇跡のようだ。
ただ。
君の前で弱いところを見せたくなかった。
それだけの強がり。
最後のわがまま。
君の次くらいにね。
声は震えていなかっただろうか。
肩は。視線は。・・・こころは?
残念。
桜に滲んだ、君の存在。
さよならだ、もう散ってしまう。
そして来年はもう、咲かないんだね。
それじゃ、世界一不幸だな。
ねえ桜。
君の夢はどうしたら、見れるんだろう。
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