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初出:2007/9/01
何も変わらない、なんて。

はやく、冬が、くればいい。



布団にもぐりこんで耳をふさいで、暗闇と自分の鼓動ばかりを友人に日々をやり過ごす。
光が痛い、痛い、いたい。
目を開けたってそこに見たい人はいないんだ、それだけなのに、それだけだから、余計に空しくて。
酷く、酷く痛いんだ。
好きだった愛してたどうしようもないくらいに。心を半分くらいはのっとられていた、だから君がいない世界なんか想像するだけで怖かった。
だけど平気じゃないか、生きている。呼吸もできる。声も出るし笑えるし泣ける。それが痛くて堪らないなんてどういうことなんだろう。君がいなくなったら、絶対に何かが決定的に異なってしまうと思っていたのに、同じじゃないか。
ただ、少しだけ僕が狂っただけ。
それ以外に何も、世界は変わってくれなかった。
まるで君が僕の元にいないことのほうが自然みたいに、何もなかったように。僕の心の半分なんか、所詮その程度だったんだ。
痛い、痛いんだ、そんなことが。
いつだって笑って欲しかった。僕のためだけに笑って欲しかったのに、それが叶うはずもなく。小さなものだったら誰からも隠してしまえただろうに、君のような大きな存在をどこに隠せただろう。
最後まで結局、心からの笑顔を見ることは叶わなくて、そのままさようならと手を振る君に、何もいえないまま僕は。
ただ、心が。
痛くて、焼けるように痛くて、痛くて。


「居たくて・・・」


ただ、君の隣に。
居たくて、痛かったんだ。


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